上大岡文化R7年11月3日(月)、11月24日(月)開催

横浜能楽堂バリアフリーワークショップ

来年夏まで改修工事のため休館している横浜能楽堂が、「つなぐ、つながる」をキーワードに、今回初めてラポール上大岡で2回に渡ってワークショップを開催しました。

日本の伝統芸能である能は、普段あまり触れる機会が無いと思いますが、今回、能舞台の模型や能の衣装、楽器を体育室に用意してもらいました。

最初に能楽師の方々から能の歴史の説明がありました。歌舞伎より静かなイメージがある能ですが、元々は「猿楽(さるがく)」と呼ばれ、室町時代に観阿弥と世阿弥によって広まりました。

その後は早速、見て・触れての体験です。
AグループとBグループに分かれ、能舞台の模型と能装束を見ながら説明を聞いて、実際に触れてみました。

視覚障害の方には、点字や立体コピーを用いての説明をしました。

聴覚障害の方には、筆記通訳をつけました。

続いて、小鼓(こつづみ)と大鼓(おおつづみ)を演奏する専門職の小鼓方と大鼓方によって源平合戦の歴史を題材にした「波頭」という演目を披露してもらいました。能の演目は実に250曲あまりもあるそうです。

次に、能で用いる4つの楽器(笛・小鼓・大鼓・太鼓)を順番に説明してもらいました。

雛人形の五人囃子(ごにんばやし)が手にしている楽器なので、ミニチュア版は目にしている方も多いと思いますが、実物を見るのは初めての方も多かったのではないでしょうか。

小鼓(こつづみ)と大鼓(おおつづみ)は馬の皮が張られているそうで、太鼓は牛の皮と真ん中には鹿の皮が用いられているそうです。

その後、参加者全員、楽器を手に取り、実際にたたいてみました。

大鼓は、そのままたたくと非常に痛いので、体験した参加者の方々は驚いていました。
実際の演奏時は、指皮というサックをはめるそうです。

大鼓方がお持ち頂いた大鼓は江戸時代のものだそうで、代々引き継がれているとのことで、能の奥深さを感じることが出来ました。

聴覚障害の方にもたたくタイミングが分かるように、掛け声を書いたプレートを示して体験してもらいました。

約650年前から内容が変わらず、ユネスコの無形文化遺産にも登録されている日本の伝統的な舞台芸術である能を身近に感じ、興味をもつ機会になった有意義なバリアフリーワークショップでした。